パーソナルジム・整体院・ピラティススタジオを営む方へお客様を迎える前に、
契約で決めておくこと
パーソナルジム、整体院、ピラティス・ヨガスタジオは、エステと違って特定商取引法の特定継続的役務に指定されていません。そのため、法定の書面や中途解約の上限に頼らず、返金・キャンセル・免責を自分の契約書で設計し、それを消費者契約法の物差しで点検する必要があります。そこに、体験からの入会の勧誘、カルテの健康情報、整体やストレッチと医業類似行為の線引き、「痩せる」の効果表示、業務委託のトレーナーとの契約と労働者性、フリーランス法と報酬、顧客の引抜き、事故と保険、フランチャイズといった、この業界ならではの論点が重なります。このガイドは、アトラス行政書士法人が実際に作成・点検してきたパーソナルジム・整体院の顧客向け契約書、ピラティススタジオのインストラクター業務委託契約書、トレーナー業務委託契約書と業務ガイドライン、出張コンディショニングの契約の提案書、ジム向けシステムの規約、パーソナルジムのフランチャイズ加盟契約書の実例と、条文の一次確認をもとに、ジムや整体院を立ち上げる方、トレーナーやインストラクターと契約する方、本部として加盟店を募る方が、契約書で押さえておきたいことをテーマごとに詳しく整理しています。
ジム・スタジオ・整体院を開く方

まず、どの法律がかかる売り方かを決める
パーソナルトレーニング・ピラティス・整体は、特定商取引法の特定継続的役務に指定されていません。ただし、痩身の施術を組み込めばエステの項に当たり得ますし、店舗外での契約やネット申込みには別の規律がかかります。
指定外だからこそ、返金・キャンセル・免責は自分の契約書で設計し、消費者契約法で無効にならない形にしておく必要があります。
回数券・月謝・キャンセルを整えたい方

「返金なし」「1回消化」を、説明できる形に
月謝の前払いと月末退会と返金なしの組合せ、店の都合でも回数券を返さない定め、期限内の連絡でも消化するキャンセル規定は、消費者契約法で争われやすい定めです。
返金の計算式、キャンセルの根拠と段階、休会の制度、入会特典の継続条件を、料金の種類ごとに書き分けます。
けが・同意書・カルテに備えたい方

全部の免責は効かない。効く形で、一か所に
「施設内の事故は一切責任を負いません」は無効です。上限を定めるなら故意・重大な過失を除くことを条項の中で明らかにし、申告違反は「その限度で」に限定します。
既往歴を書いたカルテは要配慮個人情報です。私物端末に置かない、連絡は公式アカウントで、という運用を契約で裏づけます。
整体・ストレッチの範囲を確かめたい方

行うこと・行わないことを、資格に合わせて書く
あん摩・マッサージ・指圧は免許が必要で、資格のない手技は人体に危害を及ぼすおそれのない方法で行うことが前提です。名称ではなく実際の手技で判断されます。
利用規約や同意書に、施術者の資格と実際に行う手技、行わないことを並べて書き、痛みを訴える方には受診を勧める基準を決めます。
トレーナー・インストラクターと契約する方

業務委託として説明できる条件と、報酬の単位
週5日の受付枠、月額固定、店舗運営の業務の組合せは雇用に寄った条件です。受ける時間の申告、報酬の単位、清掃などの業務の分け方を、実態に合わせて書きます。
店が特定業務委託事業者なら、休業時の月額の減額は事前の合意があっても違反になり得ます。引抜きの禁止も、顧客情報の保護に直結した範囲に絞ります。
集客・複数店舗・FCを進める方

表示のルールと、本部・加盟店の役割分担
ビフォーアフターや口コミの表示は、根拠資料の保管と条件の併記、トレーナー個人アカウントの扱いまで決めておきます。店のSNSや地図サービスのアカウントは店名義にします。
FCでは、加盟金の返還の算式、ロイヤリティと回数券の計上、決済の名義、中途解約金、本部の支援の最低水準を、数字で書きます。
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よくあるご質問
パーソナルジムのコースにクーリングオフはありますか?
パーソナルトレーニングは特定商取引法の特定継続的役務に指定されていないため、店舗で契約したトレーニングだけのコースであれば、特定継続的役務提供としてのクーリングオフはありません。痩身の施術を含むコースや、お客様の自宅など店舗外での契約には別の規律がかかり得ます。
回数券の未使用分は、利用規約に「返金なし」と書けば返さなくてよいですか?
そうとは限りません。解除に伴う違約金と評価されれば平均的な損害を超える部分が無効になり、そうでなくても消費者の利益を一方的に害する条項として争われ得ます。店の都合で提供できなかった分は特に返金や振替の対象にしておきます。
整体の同意書に「事故は自己責任」と書けば、責任を負いませんか?
負わないことにはなりません。事業者の責任の全部を免除する条項は消費者契約法で無効です。同意書は説明と納得の記録として作り、上限を定めるなら故意・重大な過失の場合を除くことを条項の中で明らかにします。
パーソナルトレーナーを業務委託にするとき、何に気をつければよいですか?
契約の名称ではなく働き方の実態で判断されます。受ける日と時間をトレーナーが決められるか、報酬の単位、店舗運営の業務の分け方、代わりの者を立てられるかを確かめ、書面を実態に合わせます。報酬はフリーランス法の減額の禁止も踏まえて決めます。
資格がなくても整体院を開業できますか?
整体には法律上の資格制度がありません。ただし、あん摩・マッサージ・指圧に当たる手技は免許が必要で、資格のない手技は人体に危害を及ぼすおそれのない方法で行うことが前提です。利用規約に、施術者の資格と実際に行う手技、行わないことを正確に書いておきます。
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運営事務所・ご相談のご案内監修:アトラス行政書士法人(代表社員 荒木素子・特定行政書士) 最終確認日:2026年10月15日